「ぼけますから、よろしくお願いします。」

9月27日(土)二宮町社会福祉大会ふれあい福祉のつどいが開催された。         ドキュメンタリー映画 「ぼけますから、よろしくお願いします」上映され、終了後、監督・撮影の信友直子氏の講演もあった

信友監督は、広島市暮れに住む両親の日常を、数年前から自分のカメラで撮り続けていた。ある時期、母親のアルツハイマー型認知症が分かり、次第に状況が変化しながらも両親が生活を続ける様子をドキュメンタリー映画として完成させた。

両親は大きな病気はせず、父は定年後、読書や新聞の関心事の切り抜きを趣味とし、コーヒーを入れてくつろぐ穏やかな人柄。母は趣味の習字を極め、娘の成長を見守り、娘の乳がんの闘病時には、励まし支え、頼もしい一面もあった。

・・・・しかし、久しぶりに実家に戻った娘が目にしたのは、洗濯機に詰め込んだ数日分の衣類。手伝おうとしたら、怒り出し、興奮した後はその場で寝てしまう。又、朝になっても起きようとせず、父が手伝おうとしても動かないそのうち、母は叫び暴れる。これらの映像を見ていて、数分前の画面からは、想像できない状態は認知症の現実に驚かざるを得ない。しかし、本人の心の葛藤や思い通りに出来ないもどかしさは何故か理解できるような気がした。ヘルパー派遣やデイサービス利用にも頑固な抵抗があったり、よく耳にするのはこういう事なのかと納得した。                ヘルパーが帰った後、きれいになった風呂場を喜ぶ母親がそこにいた。

現在、母親は数年前に亡くなり、父親は94歳になり、監督の直子さんと自宅で暮らしている。11月1日の誕生日には、この映画会が呉市の地元で行われ監督と舞台で95歳になった父と挨拶の予定。                                     今回の映画は、徐々に色々な事が出来なくなり、歯車がづれたように変わっていく様子が、現実としてみることが出来、認知症について、より理解が深まった。

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