先進的教育実践校訪問記
教育福祉常任委員会視察報告(一石議員より)
議員13名、教育移動課長、子育て・健康課長、議会事務局長16名
7月11,12日、長野県の子どもの権利に基づく先進的教育実践校2校を訪問。
*グリーンヒルズ小中学校
長野県で唯一世界レベルの概念型探求(国際バカロレア)を日本語で学ぶチャレンジに注力されている。
森の中の研修施設を活用、オルタナテイブ教育「5感を磨く」「子ども市川博美校長自らの発露を待つ」ことを大切に公立学校プログラムに真っ向から対立軸を教育理念に掲げている私立学校。
3年前、公立中学英語教師、アメリカ留学を経て長野県NPOセンター立ち上げと同時に事務局長、さらに松本市副市長クラスに抜擢された経歴を持つ市川博美氏が校長に就任後、公立対オルタナティブではない路線に舵を切られた。
混迷化する世界を見据え社会の作り手としてわがこととしてコミュニケーションし、周囲と協働する生きる力を身に着けることが教育の重要な使命として研究を続け、国際バカロレア認定校となった。
市川校長は社会的にコミュニケ―ションを尽くし、新しい道を開くフロントランナーだ。
「バカロレア」は日本語で受けられる。「まずは五感を磨き、我がこととして動き、学ぶ。母国語の概念で小学校から学びのオーナーシップを持つことが重要。英語はまず膨大に聴き、使うこと。テストなんかしたら終わりです」との事。又、「評価はオーナー自ら評し次に教諭、学校の順。数値化はしない。」
このような学校が近くにあれば、どれほど多くの広域の子どもたち、保護者達が引き付けられエンパワーされるのではと思わずにはいられなかった。心に響く目が覚める研修となった。
二日目
* 南アルプスきの国子どもの村小学校
映画「夢見る小学校」でも、中心的に取り上げられ、すでに全国で5校展開している学校法人。(グリーンヒルズ創始者もここの教諭だった)
加藤校長もまた、子どもと、教育への深い眼差し、共に生きる学問的裏付けと並々ならぬ情熱が語る言葉共に、子どもたちと未来の為にチャレンジする教育者として「学校でなければできない事をする」「子ども自らカスタマイズし、民主的なシチズンシップを身に付ける場である」教育は文科省の推奨する最先端の教育と明言された。
教科横断的で活発な子どもがオーナーであるプロジェクト学習が展開されている。
堀真一学園長の「楽しくなければ学校でない」という理念のもと忙しくいろいろ事にチャレンジする子ども達がまさにラボラトリーのようなクラスに自らの意思で参加する様子も見えた。
クラス(プロジェクト)担任の中にはバス運転免許証を持ちどんどん見学や旅行に行くという。まさに飛ぶラボラトリー。
中学はもう会社だ。月一巻冊子を出版、教室はここの自主研究の机が並びまるで職員室。
この日も博物館に出張。数人が国立大学の講師に英語の授業を受けていた。
厨房には主催する果樹園の収穫物の桃や、穀物の処理中の食品が並び、冷蔵庫には養豚場の
収穫物が貯蔵されていた。
教育者は子どもたちの為に、考え仕組みを創り実践する。
とても語りつくせない学びだったが、この事実を目前に垣間見て五感で受け止めた2日間であった。